私は母乳育児に向けて、準備だけは本当に万全だった。
ソラニン著『最強の母乳外来』を読み込み、書いてあることを忠実に実践。大事なのは“乳首を柔らかくすること”と“汚れを落としておくこと”。
お風呂上がりにオイルを塗ってサランラップを貼り、しばらく放置して拭き取る——今思えば、よく毎日やっていたなと自分で感心する。そのあと本に書かれていた通りにマッサージ。
おかげで助産師さんにも「柔らかくて赤ちゃんが吸いやすそうだね」と褒められた。
正直、赤ちゃんなんて本能で吸い付くものだと思っていたけど、産後に母乳レッスンを受けた時、うまく吸えない赤ちゃんがいるのを目の当たりにした。“育児って本当にイレギュラーばっかりだな…”と実感した瞬間だった。
そして、うちの腹ペコボーイは母乳だけじゃ全然足りず、あっさりミルク混合へ。
「母乳一本でいくぞ!」という私の決意は、見事に儚く散った。
その後は保育園入園や歯が当たることもあり、9ヶ月で母乳終了。
息子はその後、一度もおっぱいを求めず、ミルクをぐびぐび飲むタイプに。
——母乳育児にこだわっていたのは、どうやら私だけだったらしい。


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